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サブプライム問題
米大手金融機関の08年1~3月期(一部は07年12月~08年2月期)決算が21日、ほぼ出そろった。低所得者向け高金利住宅ローン(サブプライムローン)問題の影響で、シティグループ、メリルリンチ、ワコビアの3社が最終赤字に転落、主要8社のサブプライム問題絡みの損失額は計488億ドル(約5兆円)、累計1281億ドル(約13兆2000億円)に達した。市場では「損失額は想定の範囲内」として、株価が急伸したものの、金融正常化への歩みは緒に就いたばかり。不安解消には程遠い状態が続いている。
◇証券化商品市場 機能不全に
サブプライム問題の震源地と言われている証券化商品市場。中でも住宅ローン担保証券(RMBS)を売り買いする市場では、今も「売買の成立しない機能不全状態」(日銀幹部)が続いている。1~3月期決算で計上された各社の評価損の内訳を見ると、RMBSなどサブプライム関連の証券化商品の評価損が大半を占めており、そのほとんどは、市場で売りに出しても売れずに各社が抱えたまま、いわば「塩漬け」になっている資産だ。
サブプライムローンを組み込んだ証券化商品は、昨年夏の価格急落を経て、「秋以降は取引自体がほぼ止まった状態になっている」(米大手証券)という。世界の金融機関全体で6000億~8000億ドル保有していると見られる資産の価格が判然としないため、金融機関は不良資産を抱え込んだまま、損失額すら確定できず、決算発表のたびに損失を膨らませている。
11日に開かれた先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)でも「金融機関が損失額を確定して資本増強することがなによりも大切だ」(ポールソン米財務長官)との方針が確認されたが、そのためには市場価格の確定が不可欠。米連邦準備制度理事会(FRB)幹部は「売り買いが成立するよう市場を正常化させることが先決」と指摘するが、その見通しは立っていない。
また各社の損失には、自動車ローンやクレジットカードといった身近なローン市場での損失も含まれていた。住宅ローンの支払いに窮した借り手がカードで支払いを続け、焦げ付かせる悪循環が、多数発生しているという。サブプライムの範囲を超えたローン市場全体の劣化が進めば、影響はより広範囲に広がることになる。
株価の上昇もあり、市場では「最悪期は脱した」(リーマン・ブラザーズのファルド最高経営責任者)との楽観論も出ている。しかし「戦後最悪の金融危機」(バーナンキFRB議長)の根は深い。患部への適切な処置を怠れば、国際通貨基金(IMF)の公表した損失規模9450億ドル(約96兆円)という数字がいよいよ現実味を帯びてくることになる。
◇住宅不振 消費に冷水
サブプライムローンなど住宅ローンの焦げ付きの連鎖を断ち切るには、住宅市場が回復して価格下落が止まる必要がある。しかし、16日発表の3月の米住宅着工件数は、前月比11・9%減の94万7000戸と17年ぶりの低水準を記録。今週発表予定の中古、新築住宅販売件数や住宅価格などの動き次第では、「住宅市場発の金融不安は長引く」との見方が強まりそうだ。
ポールソン米財務長官は先月末、米テレビのインタビューで「住宅市場の減退は必然で、避けられない」と述べつつ、「在庫が若干減り始めているという点には希望が持てる」と言及した。とはいえ、住宅価格の上昇を期待して、身の丈に合わないローンを組んでいる借り手が多いことから、多少の在庫減で焦げ付きの悪循環を解きほぐすのは不可能。むしろ住宅市場の不振が個人消費を直撃し、特に住宅購入と関連の深い家具や自動車、家電製品などの売り上げ減少につながる可能性が高いとみられている。
既に米国では、就業者数が4年9カ月ぶりに3カ月連続で減少するなど景気減速感が強まっている。失業者の増加などが新たなローンの焦げ付きを生めば、景気後退の長期化につながる恐れも出てくる。
◇円高・株安は一服 東京市場
先週末の米シティグループの決算発表を受けた21日の東京金融市場は、「米金融不安は最悪期を脱した」との楽観論が広がり、3月から続いた円高・株安は一服した。
シティなど米金融機関がサブプライム関連で多額の損失を計上したものの「損失は縮小傾向にあり、予想の範囲内だった」と受け止められたためだ。国内の金融機関がいずれも08年3月期決算に最終(当期)利益を確保する見通しで、米欧のように自己資本増強を迫られる事態に陥っていないことも追い風になった。
しかし、先行きへの警戒感が一掃されたわけではない。みずほ証券の高田創氏は「最悪期はしのいだものの、根拠のない楽観論が市場を支配している。金融機関の資本不足や米景気の後退懸念が解消されない限り遠からず悲観論に覆われる」と指摘。JPモルガン・チェース銀行の佐々木融氏も「米国の景気後退が今後鮮明になれば、1ドル=90円台後半まで円高が再び進行することは十分ありうる」と見ており、米景気の見通し次第で為替、株式市場が大揺れする構図はしばらく続きそうだ。
http://www.tumartini.com/top/
コメントの投稿
突然おじゃましてしまいました。
素通りは失礼かと思い、コメントだけ残させてもらいます。
またお邪魔するかと思いますが、今日はこのへんで。
ではでは^^。